プロフィールと経歴My profile & logs
布編みとの出会い -フレデリックスバーグにて-
二年間の予定で居を構えるテキサス州ヒューストンから西へおよそ400キロ、テキサス州都オースチンとサンアントニオとの中間に位置するドイツ系の町、“フレデリックスバーグ”は、春3月原野に咲き誇る青色のブルーボネットと橙色のインディアンペイントブラッシュを楽しむ為、車を駆る目的地に定めた小さな田舎町でした。
行き当たりばったりのドライブでしたが、その日の宿を取ることにも成功し、夕食までにはまだ間の有る頃の町巡りお散歩タイム。軒を連ねる種々お店の一つクラフト店にて、その出会いがありました。
1990年頃、世はまさにパッチワーク全盛期。その本場生地であるアメリカンコットンが、日本ではメーター2千円していました。特に手芸に興味が有るわけではない程度だった私は、見る物知る事すべてが新しいその「異国の文化」に触れるうち、気がつけば近所に何軒もある手芸店をローテーションが日課に。 日本では見た事のなかった美しい色や柄豊富なアメリカンコットンを、まるで美術館の絵画に会いに行くがごとく眺めるだけで楽しかったのです。 素敵な色、可愛い花柄、安い(1ヤード=90cmが約3ドル)、欲しい、でも買ったところでそれどうするの?との自問自答にうしろ髪を引かれながら店を出るというのがいつものパターン。
旅先フレデリックスバーグのクラフト店内、多種多様なカントリークラフトが素敵にディスプレーされた小部屋は、いくつも連ねて奥へと続いています。その一角、暗い感じの古びた風合いの布を使って、でも何かしら惹きつけられる大小様々なバスケットや大きなハート形のマットに足が止まります。
傍に有る茶筒形の缶缶に、裸のまま入れられたかぎ針棒とワープロ印刷のA4紙を15枚程ホッチキスで留めただけのテキスト。無造作に置かれたかぎ針棒のその巨大さに驚き、目の前の色々な作品は”きれ”をこの棒で編んでこさえてあると察しがつくのにさほど時間はかかりません。
店員さんもお客さんも誰も居ない閑かな小部屋、中でもちょっとだけ明るい感じの、取っ手にリボンの付いた可愛いバスケットと巨大なかぎ針とテキストの3点を買い求め、家族の遊ぶ表に戻ったのでした。
テキストの表紙にはcrocheting ragと記されています。crochetとはかぎ針編み、ragとはボロの意。つまり、暗い感じの古びた風合いの通り、襤褸布(ボロ布)をかぎ針で編みこさえてあるわけです。
開拓時代に遡り、貴重な綿糸のシーツや衣服は少々ほころんだり傷んでも、捨てずに工夫して形を変えて繰り返し使った、つまりはリフォームの一方法と考えられ、その意味でパッチワークと同じ実用的な家庭手芸と想像します。物の無い時代に先人達の知恵の多さが偲ばれます。このかぎ針棒の先、よく見ると人さし指をぎゅっと曲げた時の形に似ていませんか? 発想の始まりは襤褸を指で編んでいたのだとか。
かくして「crocheting rag」 、「アメリカンコットン」、「私」の三つ巴の関係に、ぞっこんはまったまま現在に至ります。
展示販売会参加の記録
- 2024年
- 日本ホビーショー第48回 東京ビッグサイト
- 2023年
- 手作りフェア 福岡国際センター
- 福岡アクロスホワイエ展示
- 2015年
- 手作りフェア第20回 - 福岡マリンメッセ
- ハンドクラフトフェア第27回 - 名古屋吹上ホール
- 2013年
- 博多阪急百貨店
- 2011年
- アミューズミュージアム - 浅草
- 2010年
- DIYショー - 幕張メッセ
- 西日本新聞暮らしの文化祭 - 福岡アクロス
- 暮らしのハンドメイド展 - 福岡国際センター(九州場所開催地)
- 2009年
- 熊本手づくりフェア - グランメッセ熊本
- 手づくりフェア第14回 - 福岡マリンメッセ
- 手作りフェア - (株)トレジョリー西沢 西新店
- 日本ホビーショー第33回 - 東京ビッグサイト
- ハンドクラフトフェア第21回 - 名古屋吹上ホール
- 2008年
- 京都手づくりメッセ - 京都市勧業館
- 手づくりフェア第13回 - 福岡マリンメッセ
- 西日本新聞暮らしの文化祭 - 福岡アクロス
- 日本ホビーショー第32回 - 東京ビッグサイト
- ハンドクラフトフェア第20回 - 名古屋吹上ホール
- 福岡産業デザイン賞 ノミネート商品展示会第11回
- 2007年
- 金沢ホビーフェスタ - 石川県産業展示館
- 日本ホビーショー第31回 - 東京ビッグサイト
- ハンドクラフトフェア第19回 - 名古屋吹上ホール
- 福岡産業デザイン賞 ノミネート商品展示会第10回
- モノ・クリエイション第4回 - 東京ビッグサイト西ホール
- 2006年
- カントリーカーニバル - 博多リバレイン
- 手作り市場第8回 - 北九州西日本総合展示場
- 手づくりフェア - マイドームおおさか
- 日本ホビーショー第30回 - 東京ビッグサイト
- (株) たけみや手作り展
- 2005年
- 久留米絣創意工夫展 - 広川町産業展示会館
- 手づくりフェア第10回 - 福岡マリンメッセ
- 日本ホビーショー第29回 - 東京ビッグサイト
- 2004年
- 手づくりフェア第9回 - 福岡マリンメッセ
- 日本ホビーショー第28回 - 東京ビッグサイト
- 浜松町手づくりサマーフェスタ - 東京都立産業貿易センター
- 2003年
- 手作り市場 - 北九州西日本総合展示場
- 日本ホビーショー第27回 - 東京ビッグサイト
- 2002年
- 手作り市場第4回 - 北九州西日本総合展示場
- 手づくりフェア第7回 - 福岡マリンメッセ
- 手づくりフェスティバル第18回 - 札幌きたえーる
- 2001年
- 手づくり一坪ショップ - 旧福岡玉屋
- 1995年
- 手づくりバザール - 福岡・天神岩田屋百貨店西新店
- 福岡市7区それぞれのまちかど文化ひろば
- 1993年
- 創作手芸作品展 - 福岡・天神岩田屋百貨店
- 福岡市東区香椎に「手創り館花かご」開設
- 1992年
- 創作手芸作品展 - 福岡・天神岩田屋百貨店
- 1991年
- 居住地ヒューストン郊外のクラフトマーケットにブース出品
講習会や教室の記録
- 2011年
- 1日教室 - 「毎日が発見」企画イベント”発見塾”
- 2009年
- 店頭講習 - (株)トレジョリー西沢 南福岡店
- 展示会時講習 - (株)トレジョリー西沢 西新店
- 1日教室 - 秋葉原中小企業振興センター会議室
- 2008年
- 1日教室 - (株)日本ヴォーグ社会議室
- 2006年
- 1日講座 - 北九州リビング福岡 (以降毎年)
- 1日教室 - (株)たけみや
- 1996年
- 女性講座 - 福岡市当仁公民館
- 1995年
- 1日体験教室 - イリス九電コミュニティプラザ
- 1994年
- 講座 - 北九州リビング福岡
- 1日体験教室 - イリス九電コミュニティプラザ
- 教室 - 福岡市7区それぞれのまちかど文化ひろば2つの会場で
- 1993年
- 講座 - 北九州リビング福岡一日講座
- 日替わり講座の講師 - 福岡・天神岩田屋百貨店 創習作手芸作品展
- 1日公開講座 (後に本講座講師に) - 岩田屋コミュニティカレッジ
- 教室開催 - (株) マルベニ三ヶ森店
- 随時講習 - 手創り館 花かごにて
- 1991年
- 居住地ヒューストン自宅で日本人仲間に指導
テレビ出演の記録
- 2016年
- 11月7日 「アサデス。」 - KBC九州朝日放送
- 2010年
- 2月9日 「エコ・スイッチ」 - FBS福岡放送(日本テレビ)
出版物の記録
- 2017年
- おうち雑貨をこしらえる「巨大かぎ針編み」 ‐ 自費出版
- 2016年
- 「簡単小物手引き書」 - 自費出版
- 2011年
- ムック「布編みぞうりと暮らしの小物」 - (株) 角川マガジンズ
- 2008年
- 布編みテキスト A4 8ページ版 - (株) 日本ヴォーグ社自費出版部
- 2006年
- 布編みぞうりレシピ A4 1枚版 - (株) 日本ヴォーグ社自費出版部
- 1992年
- 9月に自作テキスト初版発行 (以降年2回更新)
雑誌掲載の記録
- 2024年
- 「毛糸だま」vol.202 52頁 &愛読者プレゼント (株)日本ヴォーグ社
- 2013年
- 「毛糸だま」vol.157 76頁 (株)日本ヴォーグ社
- 2019年
- 「天然生活」 1月号
- 2018年
- 「天然生活」 12月号
- 「天然生活」 11月号
- 2011年
- 「毎日が発見」 定期連載
- 「毛糸だま」 vol.149 88~89頁 (株) 日本ヴォーグ社
- 2010年
- NHKテレビテキスト 「住まい自分流」 1月号 掲載
- 1995年
- (株)主婦と生活社 「私の手作り」1月号 特別編集リフォームアイデア雑貨店
- 1993年
- (株)主婦と生活社 「私の手作り」11月号 "NO.17"
- 1992年
- (株)主婦と生活社 「美しい部屋」12月号 別冊「私のカントリー」
報道紙(新聞など)掲載の記録
- 2013年
- 読売新聞 掲載 1月20日(西部版)
- 毎日新聞 掲載 4月30日(西部版)
- 2010年
- 朝日新聞 掲載 11月4日(関西版)
- 朝日新聞 掲載 10月26日(全国版)
名前 | 奥村 律子 |
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生年月日 | 昭和31年 2月 |
出身地 | 福岡県(福岡県在住) |
受賞歴 |
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